踊ってから考える

エンターテインメント過剰摂取記録

チェキはどこから来たの?

【2019/8/14追記しました】

※個人の独断と偏見に寄る考察ぶった感想です。グーグル先生に聞いてウィキペディア先生が教えてくれた情報とVkDBで検索した情報で構成されています。



TLに流れてきたメンズ地下アイドルについてのブログ記事、大変興味深く読んだんですけど、この記事や他の記事でもメンズ地下アイドルの文化はV系バンドの文化からの流用なのでは?といったようなことが言及されていて、このブログをツイートしていたライターさんもバンギャルにも読んで欲しいと言う一文を添えているし、最前管理とかはまあ参考にしている部分*1はあるだろうなとは思うんですけども。

記事やツイートの書き方だとメンズ地下アイドルの文化≒V系の文化と捉えられがちにはなりますが、

こちらでもご指摘がある通り、V系のチェキは大体メンバーがピンで写っているチェキのランダム販売が主流*2なので、ツーショチェキ(接触)のみを売るメンズ地下アイドルとは似て非なるものだとは思う。
というか、女性ファンならではのってありますけど、ツーショチェキの起源は多分メイドカフェだし、ブログ記事の内容読む限り、現場至上主義なのもメイドカフェに近い*3と思う。
わたしは一時期、後輩とランチにメイドカフェ巡り*4をする趣味を持っていたので、その辺りはそこそこ知っているんだ(詳しくはない)
メイドカフェも元祖って言われてるキュアメイドカフェはツーショチェキないです。カレーが美味しい。ツーショチェキが爆発的に認知されたのは多分AKB劇場下の@ふぉーむカフェか電車男のロケ地で有名なぴなふぉあ



それはそれとして、こういう風に記事になった時にV系の文化として認識され始めているチェキ(ここではピンショチェキのランダム販売のみとします)はどこから来たの?

これはこの記事を見て、記事とはあんまり関係ないけど最初に思ったことなんですよね。
最早V系独自の文化扱いになっているにも関わらず、V系のチェキは発祥が明確になってない(はず)。
結局、初めて売り出したバンドはどこなん?って言う素朴な疑問。
この記事を見た方が何人かこのバンドでは?というような内容をツイートされてましたが、わたしがTLで見掛けただけで4バンドは名前が出ていたので、やはり「ここだ!」というバンドは明確になっていない様子(なおTwitter検索調べ)

そもそもチェキ本体の発売が1998年10月*5からなのと、発祥なのでは?と上げられていたバンド*6の中で一番結成が早かったバンドが2000年で一番遅いバンドが2003年だったので、物販に登場したのは2004~2005くらいなんじゃないかなーとは思う。
その前も多分アー写の生写真は売っていたような……。

わたしが最初にチェキを買ったのは2010年のディクティターズバディーズ*7の時だったと思うんですけど、その時にはすっかり文化として定着していた感はあった。
2011年のthe Pumpkin Headの復活の時にも買ったけど、2007年の解散時にはチェキなかったので、定着したのは00年代後半になってからなのかなあ?といったところ。
グーグル先生で『チェキ バンド名 🔍』すると2008年、2009年解散のバンドでもヒットするので、多分大幅に外れてはいない、と思う。

あとやっぱチェキはインディーズの中でもマイナーバンドが売るものみたいな偏見があって、「チェキなんて」的な発言をするバンドマンもいるし、Tシャツやタオルなんかに比べると金銭に直結しているように見えるので、おおっぴらに「うちが始めました!」みたいなことは言いづらいのかも知れない。



文化だ文化だとここまで書いてきたけど、このチェキ、バンドマンやバンギャルの中には割と否定的な人も実は多い。
わたしも買うまではそうだった。
なんかこう、漠然とした「音楽じゃない物を売ってる」「楽して儲けてる」みたいな思いがなんかあったんですよ。
いや、冷静に考えれば、じゃあTシャツやタオルは音楽なのかよって話だし、パンフやアー写の生写真と代わらずメンバーが写ってるのに、なんでチェキだけやり玉に挙がるんだろうなって考えるとやっぱ「楽に儲けてる」的な印象なのかな……?

でも、よくよく考えればチェキって物販としてやっぱそれなりに優秀なんですよ。
初期投資は15,000円くらいのチェキ本体、フィルムは1枚あたり80円くらいで写真を撮ることで500円*8の物販が出来上がり。
パンフどころかTシャツやタオルの在庫を抱えられないようなお金のないマイナーバンドでも出せない額じゃないし、その日の撮って出しだから、枚数ちゃんと読めば在庫も抱えなくて済むし、売れなくても在庫が嵩張らないし、売れたら売れたで追加も出来るっちゃ出来る。
ファンにとってもこの世に1枚しかなくて、単価も低め。えっ、優秀……。

だけど、チェキって意外に楽じゃなかったりもする。在庫を抱えるリスクや多額の製作費は掛かってないけど、チェキって結婚式の二次会とかで撮って、「メッセージをどうぞ!」みたいな感じで使われることもある*9ので、撮ったことある人も結構多いと思うんですけど、フィルムが最大10枚しか装填出来ないこともあって、撮るのに結構時間が掛かる。
某バンドマン*10が「1000~1500枚撮ってるけど売り切れたらゴメン🙏」とか「今(4時)からメイクしてチェキ撮ります!今日の一番手は2時から準備してる!」って投稿してて、戦慄した。
4時はかろうじて早朝だけど、2時って深夜やんけ(真顔)

そう、V系のチェキはチェキが売れるようになればなるほど、負担も大きくなるが、売れているので止められなくなる魔のシステムでもある…!

1000枚チェキ撮れば、その日の売上は50万だけど、メンバー以外にメイクさんとかローディーとか写真撮る事務所の人とかが深夜2時や早朝4時から稼働してることを考えるととても楽して儲けてるとは思えないけど、1000枚売れて50万の売上があったら、止めるに止められない……。
そうなると本来メインのはずの音楽のリハやらなんやらに支障を来しそうなのは想像出来るので、そういう意味では音楽が本業なのかチェキ売るのが本業なのかって思う人が出て来るのはまあ、わかる。
毎回100~200撮って売り切るくらいの規模の時に値上げするなり、止めるなりある程度の見通しを立てて置かないといずれ大きな負担になる物販だとも思う。
まあ、これは鶏が先か卵が先かって話だけども。



ここからはもう想像と言うか妄想の域なんですけど、チェキって最初はパンフやアー写の代わりで、バンド側は初期投資も在庫のリスクも少なく出来て、ファン側も低単価で被りがなくて、トレーディング要素も楽しめるように考案されたんじゃないかなーって。

ただ、この世に1枚しかない推しの写真ことチェキ、そら欲しいし、数もあればあるだけ嬉しいよね?って言う収集欲と所有欲がめちゃくちゃ刺激されるんですわ、チェキは。
チェキが麻薬って言われる由縁はここにあると思っていて、だからこその売上と広がり具合なのではないかと。
でも、なんだかわからない後ろめたさがあって、発祥したバンドも出来た由来も不明確なV系のチェキ文化。



本当に、チェキってどこから来たの?





【2019/8/14追記】

2019/8/7 令和最初の渋谷が大変の日にV系チェキの起源がわかりました!


V系チェキ文化の起源はINO HEAD PARK!!!!!
富士フイルムのチェキの歴史に是非載せて欲しいですね!!!!!

*1:最前云々は地下アイドルでもある

*2:メンバー全員と写るチェキやツーショチェキもインストアイベントであるけど、あくまでもインストアイベントなので必ずCDかDVDは買うからどっちかと言うとAKB寄り

*3:メイドカフェの方がちゃんとしたサイトあるし、CDも出してるけど

*4:当時居た部署が秋葉原にあった

*5:Wikipediaだと1999年から展開って説明にあるけど製品項目は1998年10月発売になってる程度の情報

*6:不確定なので一応伏せた

*7:花少年バディーズによるPIERROTのコピバン

*8:バンドに寄っては1000円

*9:富士フイルムが推奨する本来の使い道は多分これ

*10:2016~2017年の発言。「チェキ 値上げ」でツイ検索すると出て来る